766: おさかなくわえた名無しさん 2009/08/29(土) 13:50:28 ID:Rm8qB7QU
流れ読まずにトン霧。
自分の住むところは自宅葬儀がデフォ。
地域の女は故人の家に集まり、遺族・親族の精進三食の手配・茶の用意。
地域の男は葬儀の準備・受付や香典関係・テント設営などの準備を済ませ、夜は酒をかっくらう。
タヒ者の家族は忌中と言う事で、火を触ってはいけない、という禁忌からきたしきたりの数々。
で、男どもに食事を出した後、(男膳)の後、女膳。

で、その通夜・葬式に必ず現れて一緒に膳に着く中年女性。
地域の者は、「親族だろうか?」と思い、親族は「地域の方だろうか?」と思っていた。
結論。
葬式乞食だった。
町内どこで葬式があっても黒い服、数珠、ハンカチを目に押しあてながら、お膳をむしゃむしゃ食って帰った。
何度か地域の葬式に参加してそいつの存在を教えられた。
誰も面と向かって咎める者は無かった。そういう土地柄だから。

十数年後、その中年女性も歳老いてタヒんだ。
地域の住民でしきたりどおりに皆集まり、葬儀の準備をはじめる。
あちこちでひそひそと
「あのばあちゃんは葬式乞食…」「葬式乞食の家だから…」
何も知らなかったらしい若夫婦、涙目。
葬式がおわったあと、若夫婦は誰も知らないうちにどこかへ引っ越して行った。
葬式のご飯で節約なんかしても、ろくなこたあない、
と今でもその立ち腐れた家の周りでは囁かれている。




引用元: ・(-д-)本当にあったずうずうしい話 第111話

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